Tank man
https://www.youtube.com/watch?v=YeFzeNAHEhU
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笠原は〈12時ごろ、一つのハプニングがあった〉と記している。戦車の前に立ちはだかった男性が、その前進を止めた「タンクマン」(戦車男)は、天安門事件で「市民の抵抗」の象徴として英雄視されているが、その様子を北京飯店から目の当たりにしたのだ。戦車10両と装甲車10両が、東に向かって出てきた。
〈戦車・装甲車の挺隊が北京飯店の前に来たとき、一人の学生風の男が、つかつかと先頭の戦車の前に出て立ちはだかった。「あっ、轢かれる」。誰もがそう思ったが、戦車は止まった。そして男を避けようと方向を変えた。男はまた移動して戦車に立ちはだかる。戦車指揮官の困惑が、戦車の動きを見ただけで分かった。戦車が轢かないと分かると、男は戦車に登っていった。そして戦車指揮官を説得しようとしている。暫く説得し、諦めたのか、男が戦車から降りると、5~6人の私服の公安警察が道路脇から飛び出てきて、男を逮捕して連行していった。一瞬、見ていた人々から溜息がもれたような気がした。市民の抵抗のすべてが終わったのだ。象徴的な出来事だった〉